たぶん幸せ
バリに来て28日目、4月5日。
朝5時半頃、小便をしたくて目を覚ます。6時から朝ランをする予定だった。用をたし、まだ少し時間があるからと、二度寝をする。
朝8時頃、スタッフがビィラにやってくる。スタッフが清掃を始める物音に起こされる。また、朝ランをすっぽかしてしまった。1日の予定が早速狂う。さて、今日1日どう過ごすか。そんなことを考えながらベッドで10分20分ほどグダグダする。とにかく眠い。コーヒーが飲みたい。丸1日コワーキングスペースで過ごすことも考えたが、夕方にランニングすることを考えると、1日利用料金を支払うのは勿体ない。ペレレナンには先週行ったばかりだが、気になるところはまだいくつかある。よし、またペレレナンに行こう。
朝ごはんはカフェで食べようか。食べてから出かけようか。今日が賞味期限のパンが残っている。仕方ない。とりあえず朝ごはんを食べてから出発しよう。別にカフェで、もう一度朝ごはんを食べたっていい。
バナナ2本+豆乳オートミールと食パン二切れを食べ、着替えを済ませ、出発。時刻は9時を回ったばかり。
ビィラからペレレナンのメインストリートまで、車が通れないショートカットを使えば約2キロ、20分ほどの道のり。先週も同じ道を通ったし、前火曜のランニングもこの道を使った。Googleマップはいらない。
ショートカットを抜けた突き当たり。まだ通ったことのない道を使おうと、右に曲がるところを左に曲がる。途中、PICCOという、小さい落ち着いた雰囲気を醸し出すコーヒーショップを見つける。店の中を覗くと客は2組。席は全部で5, 6組分ぐらいか。屋外席を含めるともう2組分。目的地はここではなかったが、なんか良さげだな。やっぱり、ここに入ろうかなと、たぢろぐ。とりあず今日は予定変更通り、行こうと思っていたカフェにいこう。発見した店の存在を忘れないようにとGoogleマップで行きたい場所マーキング。そんなことをしていると、バイクタクシーがPICCOの前で止まる。乗客の女性がバイクを降り、店に入っていく。間違いない、この店は穴場だ。
Googleマップでマーキングをしている最中、自分の歩いている道が1本思っていた通りとズレていたことに気づく。PICCOの脇道を通り、道修正をする。
5分ほど歩き、目的地ST.ALiに到着。過去数回、店の前を通ったときは窓が閉じられていた。今日はメインストリートに面している窓は全部開放されている。屋内空間と屋外空間が繋がっている。所詮20分のウォーキングだが、体は火照っているし、汗もそこそこかいている。冷房を期待していたのだが、仕方ない。
店員に1人であること告げ、室内と室外、どちらの席がいいか尋ねられる。一切躊躇はせず、二つ返事で室内がいいと答える。店内の左奥の席に腰を下ろし、メニューを受け取る。ブレックファーストメニューに目を通す。若干、値段が高めだ。朝飯はあきらめよう。ドリンクメニューのみに照準を定め、目を通していく。スムージーは気になるが、カフェインが欲しい。
バリに来てから、やたら西欧人はカプチーノを頼むことに気づき、最近は自分も真似してカプチーノを頼むことが多くなってきた。カプチーノの値段を見ると35Kルピア。1人客だし、食事も頼まないので、もう少しお金を出してあげたい。50Kルピアのコールド・ブリューを注文する。
近くの席に座っていた西欧人カップルはアイスラテを自分よりも先に注文していた。(こいつらはカプチーノ注文しないのか、と変な偏見を抱く自分。)しかし、自分のコールド・ブリューの方が先に提供される。
11時頃まで仕事という名の勉強をする。腹が、減った。店を出る前に、ランチをどこでとろうか、Googleマップで探す。現在地からビーチの間にある店をチェックしていく。いちばん気になったのはARTEというイタリアンカフェ。比較的ビーチの近くにあるお店だ。とりあえずビーチ方面へ向かい、歩きながらお店を確認しつつ最終決定しよう。
会計を済ませ、店を出る。今日は晴天。3月中、天候が不安定だったが、4月になってから天候が落ち着いている。ST.ALiを出てすぐ、右手に和食レストランを見つける。軒先に飾ってあったメニューを見る。Calfornia roll、Tuna Bowl。ちょっと入りたいが、ここに決めるには早すぎる。とりあえず1度ビーチまで歩き、いちばんよさそうな場所まで戻ればいい。歩みを再開。
また右手に気になるカフェ、ZALIを見つける。建物の形がカワイイ。3枚ほど建物の写真だけを撮り、通り過ぎる。次は左手に気になるお店を発見。ただし、ここは雑貨屋。カフェを探していたので、見送ろうかと少し迷うが店に入る。香辛料・アロマ・美容用品が多く揃っている。商品には“BOKASHI”とある。ここが“BOKASI”か。レストランだけじゃなくて雑貨もつくっているのか。奥には穀物の測り売りエリアもある。スタイリッシュ、単色のウォーターボトルは欲しかったが、何も買わずに店を出る。
店を出ると向かいにもオシャレなお店がある。道路を渡り、ストリートに出してあったディスプレイ用のメニュー眺める。おいそうなメニューだが高い。今日はちょっと無理だと諦める。
歩みを再開するがもうすぐそこはビーチだ。ARTEはどこだ。Googleマップを開く。高いレストランのすぐ隣がARTEだ。同じレストランだと思ったが、別だった。
二、三十歩ほど道を引き返し、ARTEに到着。12時少し前。客は3組ほど。ちょうど自分が入るタイミングで、1組店から出てくる。
店に入ると好きな席に座って良いと言われる。詰めれば4人ぐらい座れそうなサイズのソファ席を選び、席に着く。メニューを渡される。メインはパスタかパスタの2択。どちらを注文したものか。各15種類ぐらいメニューがある。とりあえず一通りメニューを確認し、まずはパスタにするかピザにするか決めよう。パスタだ。トマトソース系メニューが豊富だが、トマトソースの気分ではない。オイル系が食べたいが、オイル系はアーリオ・オーリオしかない。オイル系ではないが、エビとズッキーニを使ったものにしよう。パスタの種類は6種類の中からの選べる。選んだメニューのおすすめパスタはは“Gniocchi or Spaghetti”と書かれている。「ニオッチ?」みたいにウェイトレスに選択を伝えると「ニョッキ」と発音を正される。
料理メニューを取るとウェイトレスは、「飲み物はいかがですか」と形式ばって尋ねてくる。「料理の後に頼みます」と返す。ランチを食べたら他のコーヒーショップに移って仕事をしようと考えていたが、移動するのも面倒だし、そこまで店も混んでないし、ランチの後は、このままここで仕事をしよう。
しばらくして料理が運ばれる。アパタイザーにサラダを頼んだが、パスタと同時に運ばれる。仕方なしにパスタとサラダを交互に口に運んでいく。パスタの味は申し分ない。レモンの風味がほんわか染み込み、マリネした玉ねぎを刻んだ、軽いとろみのあるソースが絶妙だ。できることならサラダの後にパスタを純粋に味わいたかった。
食後はアイス抹茶ラテを注文。ST.ALiで切り上げた勉強の続きを始める。
ノマド生活を始めて3年目。バリでの生活28日目。転々とすることに大した感動や興奮はもう覚えない。新しい土地に行くことはもはや消化作業。むしろ同じ生活を繰り返し続けられないことに対するストレスすら感じる。海外から仕事をして、海外に何ヶ月も滞在して、休日にカフェでやりたことして、たぶん、自分は今、幸せな生活をしているのだろう。
14時まで勉強をして店を出る。ビーチ沿いにBatu Bolongまで降りていく。今日は波と風が強い。ビーチ沿いは、軽い水しぶきが立っている。肌感、涼しさを感じられる。途中、岩礁に押しつけられる波しぶきを軽く被る。Batu Bolongからはストリート沿い北上してビィラまで帰る。
やはり、少し歩いただけでも体は火照るし、汗もかく。帰宅した後は、海パンにズボンを履き替え、プールにダイブイン。火照った体を冷ます。軽く泳いだり、プカプカ浮かんだりを繰り返し、プールから上がる。次は、ベンチに寝転がって日光浴。出来れば寝落ちするぐらいリラックスしたいとこだが、こういう時はうまいリラックス方法がわからない。寝転がりつつも、やらなきゃいけないことなどに思考を支配される。
結局、20分ほどで日光浴は終え、17時まではYouTubeで動画を見て時間を潰す。17時になり、ウォーミングアップをして、14kmのランニングへ。晩御飯、何食べよう。