Zac Fukuda

風邪引いた

夜中にふと目が覚める。

「あれ、喉が痛い。」

北海道から宮古島へ来て5日目、早朝の出来事だ。一度、ベッドから起き上がり、キッチンへ行き、コップ一杯の水を飲み、その後、うがいをする。とにかく今は寝るしかない。ベッドへ戻り再び眠る。

朝、目が覚める。やはり喉は痛い。もう一度コップ杯の水を飲み、うがいをする。気持ち楽になる。そういえば、宮古島は南国のわりに、空気が乾燥している。宮古島を満喫できるのもその日と翌日のみ。伊良部島までランニングへ行く。不思議とランニング中は、喉の痛みが気にならない。単純に景色のおかげか。

ランニング後、かねひでへ行き、スポーツドリンクとのど飴を買う。さすがにのど飴1個で、のどの痛みは収まらいが、その日のうちに半分ぐらいの個数は消費する。

翌朝、のどの痛みはなくなる。しかし、どこか怠い。風邪気味だ。1週間後には新潟ハーフマラソンがある。レース前21km走をするにはその日がラストチャンスだ。ウォームアップを済ませ、ランニングを始める。開始10kmまでは快調なペースを刻むが、来間大橋に差し掛かり、コースは登り基調。来間島からスタート地点までは終始向かい風。疲労、体調、登り坂、向かい風。全てがランニングの邪魔をする。後半は恐ろしくペースが落ちる。

途中で止めることも考えたが、何とか21kmを完走する。クールダウンを軽く終わらせ、かねひでへスポーツドリンクを買いに行く。カラダに加え、のども潤いを求めている。宿へ戻り、ストレッチをして、お風呂へ入る。風呂から上がり、フォームローラーを使って足をマッサージ。

マッサージの後は、仕事をするつもりだったが、やはり体が怠い。昼食まで仮眠を摂ることにする。

午後は17時頃まで仕事。のどの痛みは和らいだものの、常にのどが乾いている感じがする。鼻もムズムズしてきた。17時からは次の出発へ向け荷づくり。19時からは、宮古島で偶然再会した知人と夕食の予定が入っていた。18時半頃、宿を出て、21時半頃帰ってきた。帰宅後は、すぐに就寝。

宮古島出発の日。喉に抱いていた違和感、痛みと乾きは無くなっていた。鼻はあいかわらずムズムズする。宮古空港で飛行機の出発を待っている時、港内アナウンスが流れる。

「3月は一年で最も寒暖差が激しい季節でございます。皆様、体調の管理にはぜひご配慮くださいませ。」

この体調不良が、寒暖差に起因しているだろうことに気付かされる。寒暖差だけなたら体調は崩さなかっただろう自信はあるが、流石にランニングが負担を倍増させた。

「ヘッ、キュシュン!」

石垣島へ到着し、中心部を歩いていると、くしゃみまで出始めた。15時にチャックインをし、夕飯を食べてに外出する時以外は宿でゆっくりする。

5日後に新潟へ向かうことを想像する。札幌を出発する朝、iPhone天気アプリでの札幌の気温は-9℃。宮古島到着時、気温は18℃だった。寒暖差27℃。那覇から札幌へ向かう時、那覇の気温は確認しなかったが、半袖半ズボンでも寒くはない気温だった。大体21、22℃だっただろう。札幌へ到着した時の気温は-1℃だった。

iPhoneを手に取り、天気アプリを開いて新潟の気温を調べる。12℃。石垣島は現在22℃だ。

「暖かいのは快適だけど、来年の冬は徳之島か屋久島あたりにいようかな。」

目の前の美人を無視して、まだ見ぬ美人を想う石垣島の上。